side_navi_2日本雲南環境エコ技術交流会


日本雲南環境・エコ・技術交流会2011報告
7案件にオファー「日本雲南環境・エコ・技術交流会」
雲南省招商合作局「技術交流の定期開催」に期待

日本雲南環境・エコ・技術交流会2011 日本雲南環境・エコ・技術交流会2011
大盛況だった「日本環境保護館」での個別商談を終え、笑顔の技術交流会参加者。後方は雲南大学など通訳ボランティアの22名の女子大生
曲靖市での講演を終え、視察した技術開発区で「歓迎」の電光パネルの前で記念写真に納まる


日中双方のビジネスマッチングを狙いに6月4~8日まで「第1回日本雲南環境・エコ・技術交流会」が省都の昆明市や曲靖市で開催された。日本企業の農業土壌改良や水質改善、地震予知、エネルギー分野の独自最先端技術を省政府や地元企業に紹介し事業提携を促進するのが狙い。ASEAN華商投資会の会期中には「日本環境保護館」が初めて設置。僅か3時間ほどで50名が来館、個別商談に臨んだ各社にはすでに7件のオファーが寄せられている。メディアからも高い関心を集めた交流会。雲南省招商合作局の範涛副局長は「日本企業の環境面での優れた技術に注目している。今後も技術交流を促進していきたい」と強調、来年以降の開催も視野に経済の持続的発展に繋げていきたい意向だ。

曲靖市で9講演-焦眉の急の環境保護対策
翌日の「日本環境保護館」に関係者来訪


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曲靖市での講演には、副市長の唐鈴氏を始め招商局長や環境保護局長、農業局長など12名が参加した
トップバッターは松井氏による微生物による土壌改良を基本とする無農薬有機農法「ナサラ農法」の紹介
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続いて竹内氏による「木炭水質浄水装置」開発の現状が語られた
入江氏はREACH規制など化学物質情報の「環境登録管理システム」について講演した
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STFの理事も務める小西氏は、「マグネシューム電池開発の現状」など6件の最新技術を紹介し注目を集めた
日本から前夜に昆明到着、早朝の移動とハードなスケジュールにも関わらずメリハリのある講演に曲靖市側の理解も深まり、個別商談へと繋がっていった

 雲南省との太いパイプを持ち文化交流支援事業も手がける弊社(日本産業投資技術促進株式会社)は今回初めてこの企画を主催した。雲南省人民政府僑務弁公室・雲南省商務省招商局、認定NPO法人日本・雲南聯誼協会(初鹿野惠蘭理事長)などが後援した。日本から持ち寄る最先端技術は、多様な分野の企業OBや現役の技術者、研究者らが組織の枠を超えて集うNPO法人 科学技術者フォーラム(STF)の会員企業から参加者を募った。

 5 日には、昆明から東へ2時間ほどにある雲南省第2の都市、農業生産関連 が主要産業の曲靖市からの強い要請を受けて講演会を開催。政府側からは雲南省招商合作局対外合作部の陳建氏を始め曲靖市人民政府副市長の唐鈴氏、招商局長、環境保護局長、農業局長、企業など12名が参加した。

 講演のトップは、株式会社BYM取締役の松井和樹氏による微生物による土壌改良を基本とする無農薬有機農法「ナサラ農法」の紹介。続いて、備長炭に近い高温で生産した木炭を材料にして汚水の微生物で浄水化する装置を開発した株式会社ディーリンク代表取締役の竹内均氏による「木炭水質浄水装置」の開発の現状が説明された。また、NTTデータが自動車メーカーにコンサルティングを展開している「環境情報登録管理システム『IMDS』を共同で開発した株式会社アイリーシステムの代表取締役会長の入江安孝氏がREACH規制など化学物質情報の伝達についての講演を行った。

 この後、株式会社AIC代表取締役・STF理事の小西真裕氏が東日本大震災で世 界的に関心が集まっている「地震予知システム」(インフォメーションシステムズ株式会社)を始め「マグネシューム電池開発の現状」(株式会社アクモ)、「小型風力発電システムの開発と現状」(株式会社グローバルエナジー)、環境エコ分野では自動車内フロントガラス貼付断熱シートや居住壁に貼付するなど多くの市場が期待できる「断熱シートの開発と現状」(株式会社光和インターナショナル)、「廃棄プラスチックの油化装置」(株式会社ブレスト)、「ネットビュー(自動車搭載通信機器)」(株式会社サークルワン)など6社が開発した最新技術を説明した。

 これらの新技術はいずれも日本国内での実績に裏打ちされたもので、中国国内での販売や技術提携企業を探していることが市政府側に伝えられた。現在も市側から関連企業へ新技術の紹介が行われており、追加の連絡待ちの状態。翌5日にASEAN華商投資会場に開館した「日本環境保護館」に、同市技術開発管理委員会副主任の孔維照氏と同市招商局副局長の葉徳偉氏が個別相談で来訪、改めて環境対策が焦眉の急である印象を受けた。
個別商談会に50名来館―TVニュースで速報
雲南省地震局「地震国・日本の技術に関心」

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弊社の役員を兼ねる初鹿野理事長は、ASEAN華商投資会で「日本環境保護商談」の代表として出席した
東日本大震災の影響もあり、小西氏から「地震予知システム」について熱心に説明を受ける雲南省地震局防災研究所の張建国氏(左から2番目)ら4名
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農業関連が主産業の同省では、無農薬による土壌改良技術を前面に打ち出した松井氏による「ナサラ農法」に高い関心が集まった
都合で会場入りが遅れた大石氏の講演は行われていなかったが、情報を聞き付けてブースを訪れる人も


 2011年6月4日から6日の間「第9回ASEAN華商投資西南プロジェクト説明会(ASEAN華商投資会)」が開催され、期間中に初めて「日本環境保護館」が設置され注目を集めた。同大会には世界28ヵ国・地域の華商500人余りが出席。中国西南地域(雲南省、貴州省、四川省、広西省)などの政府や企業から300人近くが参加し、参加者数は過去最高の規模となった。

 5日の午後に開館した「日本環境保護館」には、開館と同時に来訪者が列を作った。会場内には講演者ごとの6つのブースが設けられ、雲南大学や雲南師範大学などからの22名の学生ボランティアが通訳として活躍した。

 4名で来館し、熱心に「地震予知システム」について説明を受けていた雲南省地震局防災研究所の張建国氏は、「地震の予知などについて50年以上研究している。日本の持つ技術に関心があると同時に、その技術を理解していきたい」と述べ、同じ地震国としての技術交流に期待を示した。

 当日の「日本環境保護館」の様子はメデイアの関心も高く、初鹿野理事長も多くのインタビューに応じた。相談者でごった返す会場内の様子が夜のテレビ「昆明ニュース」で何度も速報されるなど、翌日の新聞紙面を飾るなど世界的に先行する日本のハイテク環境技術への関心の高さが窺われた。


■個別商談の結果オファー案件は6月末現在7件、概要は以下の通り。

【農業技術分野3件】
(1)「畜産糞尿の残滓処理に関する実証」(曲靖市・環境局)-1日に3万5000㌧出る糞尿を肥料化し最終的に無農薬の土壌改良にもっていく計画。
(2)「土壌改良剤製品の開発」(昆明市の民間企業)-製品開発の副産物として出る竹酢液を利用した土壌改良剤の開発。
(3)「漢方薬の無農薬育成」(北京市の民間企業)-漢方薬の原材料を完全無農薬にする計画。

【地震予知分野1件】
(4)「地震予知システム導入」(雲南省地震局)-導入に前向きで、省内の4~5カ所にデータ受信局を設置し日本での解析を希望。近々に関係者が来日の予定。

【マグネシウム電池関連1件】
(5)「マグネシウム・1次電池製造に関する技術」(曲靖市の民間企業)-招商局の斡旋企業から製造工場の新設と提携を希望との打診あり。

【水質改善で2件】
(6)「水処理プラント新設事業にバイオ浄化システム導入」(曲靖市環境局)-新設のモデル農業試験場へのバイオ処理プラントの設置を希望。
(7)「昆明市大規模水処理プラント新設事業」(徳宏州の民間企業)-でん池に流れ込む下水処理施設の最終処理に、バイオ浄化システムの導入を希望。

曲靖市に続き翌日昆明市でも技術交流会を開催。10テーマで講演
朱商務庁副長官-「環境・エネ分野への進出に期待」

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雲南省商務庁副長官の朱暁阳氏は技術交流会の開催を高く評価、日本企業の進出を促した
初鹿野理事長は、「日本のハイテク環境技術を誇る優秀な企業と是非とも技術協力を促進していただきたい」と省政府や企業家に訴えた
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昆明での技術交流会には雲南省環境保護庁を始めエネルギー庁、農業局、地震局などの省政府関係部門や地方政府の招商部門のほか、他省の在雲南商工会議所などが参加した
初めて登壇した大石氏は「自動車タイヤとチューブのリサイクルによる開発」を講演。東海道新幹線の枕木シートや透水性舗装への適用事例での騒音低減効果などを解説した
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身振りを交えての竹内氏の講演の様子。太陽光発電を動力源にしているためコストを抑えられる。日本ではすでに15年の実績があり、良い結果を収めている。
高い関心を呼んだ初めての技術交流会の開催には多くのメディアも注目、テレビや新聞等で即日取り上げられ報道された


 7日午前からは雲南省商務庁や雲南省招商合作局などの後援により、昆明国際展示場のVIPルームで「日本雲南環境・エコ・技術交流会」が開かれた。地元企業やメデイアなど50名が参加。講演数は、株式会社DJK代表取締役の大石不二夫氏による「自動車タイヤとチューブのリサイクルによる開発事例」が追加されて10題に増えた。

 冒頭、同省商務庁副長官の朱暁阳氏は「日中両国の交流の中で環境やエネルギー問題は重要視されてきた。このような技術交流会は、同省の発展にとって非常に良いことだ」と強調。中国政府による同省への新環境政策の柱である5優遇政策を紹介し、110社余りと全外資企業の3%にとどまる日本企業の進出に対しさらなる環境・エネルギー分野への投資を促した。

 夕方には雲南省招商合作局主催の夕食会が開かれ、範涛副局長から今回の技術交流会の開催に対して謝意を表明。特に今年から始まっている「水と環境のテーマパーク」に関しての技術支援を要請するとともに、環境教育の観点からも今後の積極的な技術交流の促進を参加各企業に要望した。

 中国としても持続的経済発展の鍵を握るのは環境保護対策にあることは今回の技術交流会を通し改めて認識できた。一大農業生産基地である雲南省を突破口に、経済成長と環境保護が両立するWIN-WINの関係を構築することができた。今後は、多くの日本企業の参加できるよう弊社として尽力いたします。

技術交流会「省発展の絶好のチャンス」
30億人超の市場-日本企業に投資呼びかけ

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雲南省招商合作局の範涛副局長は「今後も技術交流を促進していきたい」との期待を示した
ASEAN華商投資会では雲南省と隣接する東南アジア・南アジアの巨大国際マーケットを共に開拓するWIN-WINの関係と位置づけた。中国とASEAN諸国との今年の貿易額は3000億元を突破する見込みという

 インタビューの冒頭、雲南省招商合作局の範涛副局長は東日本大震災に対しお見舞いを述べるとともに、2008年5月の四川省大地震での日本側からの救援部隊派遣に言及し、自然災害に対してお互いの国同士が助け合うことが重要と強調した。環境保護が重要視されている中での「日本雲南環境・エコ・技術交流会」の初の開催は「大変有意義なこと」と実現したことを高く評価。「今後も技術交流を促進していきたい」との期待を明らかにした。

 個人的にはと前置きした上で、「農業土壌の改良やタイヤのリサイクル技術」に関心があるとし、「農産品の開発や加工面で省として発展していきたい」との考えを明らかに。2010年上半期の実質GDP成長率が13.8%と国全体を上回る高い成長を続ける同省は、今年5月に中央政府から同省が中国西南地域の経済発展における拠点となるよう通達を受けたばかりだが、高い経済成長が自信につながっている。

 中国南西地域発展のビジネス協力可能性について協議するASEAN華商投資会と今回の技術交流会の開催は「省の発展の絶好のチャンスとなった」と見る。その上で、「雲南省は東南アジアやインドなどへのゲートウェイとなる。中国国内を含めると30億人を超える巨大マーケットを専有できる」として、日本企業へさらなる投資を呼びかけた。中国国内4番目の規模となる新昆明空港は来年早々にも開港。6路線が計画されている昆明初の地下鉄工事も急ピッチで進行し、来年半には運行の予定だ。