雲南省の外国語教育 ~広がる外国語教育編~

外国語を学ぶ大学生雲南省ではマイナー言語教育がどんどん広がっています。
今年の秋入学から雲南省28校の5年制高等専門学校(中学校卒業後の進学)で、122の専門学科が増えます。

機械製造や溶接技術、建築工事技術、測量製図工事技術、冶金技術など製造技術関連の専門が最も多く、そのほかに、マイナー言語の専門学科も多くの学校に開設されることが決定しています。たとえば、昆明冶金高等専科学校では応用タイ語学科と応用ベトナム語学科を開設、昆明工業職業技術学院では応用ラオス語学科を開設する予定です。これにより、中学校を卒業したばかりの学生が、直接マイナー言語を学ぶチャンスが広がりました。
4年制大学でも、2012年から雲南師範大学ではミャンマー語学科が開設され、初年度60名の学生が入学しました。マイナー言語専修の学生は全部で350名在籍しています。日本語学科履修者が雲南省全体で1学年約150人ですから、雲南師範大学だけでこの数というのは、マイナー言語教育に相当力を入れていることがわかると思います。

話は変わりますが、最近、その雲南師範大学本科で学ぶミャンマー出身の学生・ウェルさんに出会いました。日本に渡り機械製造の会社で2年間働いた経験から、日本語はペラペラ。現在は雲南師範大学でアジア経済を学んでいます。おしゃべりでユーモアたっぷりの彼が言うには、「日本語はミャンマー人にとって簡単。語順が一緒だし、文法も難しくない」。彼に言わせると、英語よりなにより、一番難しいのは中国語なのだそう。現在は勉強には苦労しながらも、iPadを使いこなし、英語の文献や自国であるミャンマー経済についての資料などを自在に探しているそうです。

真剣な表情のミャンマー人学生雲南省の留学生には、タイ人やベトナム人が目立ちます。国境沿いのシーサンパンナタイ族自治州には翡翠を売るミャンマー人で溢れかえっていたり、タイ人街があったり、異国の雰囲気が漂っています。
今後、さらにインフラ整備が進めば、雲南省では物流だけでなく人材交流もさらに盛んになり、ここで語学を学んだ若いグローバル人材の活躍が期待されることでしょう。